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Message from Program Director

再編は加速度を増すかも・・・

この時期になると、新入社員を対象とした講義依頼を受ける。「流通業に関する情報を話して欲しい」という依頼になる。今年は、企業再編に関する話が聞きたいということであった。コロナ禍後、コストプッシュ型のインフレが進んでおり、あらゆるモノの値段が高騰、小売企業にとって原材料やエネルギー価格の高止まり、賃金の上昇といった課題が経営面に影響を与えている中、企業再編に関する大きなニュースが相次いでいるからだろう。

▼結果的には、業態動向を把握したいのだろうが、業態理解に時間がかかってしまう。「業種店」での買物体験がない新入社員に、「業種」「業態」「フォーマット」の理解を求めても難しいことなのだ。思えばコンビニエンスストアが日本で誕生してから50年経つので、初めてのお使い(買物)から、「業態」での体験だったのだ。感覚でしか理解してもらえないのは仕方ない。それよりも業態を超えた大型再編が続く業界理解に興味があるらしい。

▼食品スーパー業態も再編の波の中にある。イオングループは、「フジ」が「マックスバリュ西日本」と事業会社2社の経営統合を完了し、18年から取り組んできた「スーパーマーケット改革」が完了した。また、「いなげや」について11月をめどに、「ユナイテッド・スーパーマーケット・HD」との経営統合を行う予定にある。「イオン北海道」は、「西友」の札幌市内の9店舗を買収・承継することを発表している。こんな事例を話せばよいのだろうか。「ロピア」も「トライアル」の動きも活発だ。

▼確かに国内の小売市場は、各業態での再編の動きが活発化している。24年に入って特に大きな動きを感じる。「ウエルシアHD」と「ツルハHD」の経営統合や、「三菱商事」と「KDDI」によるローソンの共同経営に見るように、規模も枠組みもダイナミックになって来ている。加えて物流やデジタル活用、リテールメディア活用など同業社間だけでなく、異業種、異業態間での連携や協業の動きも拡大している。抱える課題に直面する中、再編は加速度を増すかも知れない。

2024/05/02